

こんにちは、せんじゅ眼科です。
会社の健康診断や人間ドックで
「視神経乳頭陥凹拡大(ししんけいにゅうとうかんおうかくだい」
という文字を見て、これなに?って思ったり、不安になったことはありませんか?
今回は視神経乳頭陥凹拡大がどのような病気なのかわかりやすくお話します。
視神経乳頭とは、目の奥(眼底)にある、視神経が集まって脳へ向かう出入り口の部分のことをいいます。
視神経乳頭の中央部分にくぼみ(陥凹)があり、くぼみの大きさには個人差があります。
検診で陥凹拡大と書かれていた場合、この凹みが通常より大きくなっている状態を
指します。これは、視神経の繊維が少なくなっている可能性があります。
代表的な原因は緑内障で、緑内障の初期症状や進行のサインとして重要です。
※緑内障とは、見える範囲(視野)が徐々にかけていく病気で、徐々に進行していくため自覚症状を感じにくいのが特徴です。
ただし、陥凹の大きさには個人差があり、生まれつき陥凹が大きい方もいますので、陥凹拡大=緑内障というわけではありません。
緑内障かどうかを調べるためには、眼圧測定、OCT、視野検査等の検査をして診断します。
・眼圧検査
眼球内の圧力を測定する検査です。目に空気を当てて測る方法(非接触)と、目に点眼麻酔をし、機器を接触させて測る方法(接触)があります。
・OCT(光干渉断層計)
CTのように断面を撮影するイメージで、目の奥にある網膜や視神経の断面を画像化する検査です。機械の顎台にお顔をのせてもらい撮影し、検査時間は約2,3分で終わるため安心して受けていただける検査です。
視神経繊維の厚みや視神経乳頭の陥凹状態を定量的に評価できるため、緑内障の診断や進行具合を把握することができます。
・視野検査
目を動かさずに1点を見た状態でどれぐらい見えるのかを調べる検査です。
光に対する反応が鈍くなる部分(感度低下)や見えない部分(暗点)がないか調べていきます。片目ずつ測定し、検査時間が片目で5分前後と長めです。最初はなれない方や疲れる方も多いですが、途中で休憩することもできますの で、検査員に遠慮なく声かけください。
上記の検査などを組み合わせて、緑内障かどうかの診断を行います。
もし、緑内障と診断された場合でも、点眼で進行を遅らせることが可能です。
一度失われた視野は元に戻せませんが、早期に発見して治療を始めることで、日常生活に支障を出さずに過ごせる方もたくさんいらっしゃいます。
視神経乳頭陥凹拡大は、緑内障や視神経の障害の可能性がある所見です。ただし、必ず病気というわけではなく、経過観察で問題ない方も多くいらっしゃいます。大切なのは、早めに眼科を受診して検査をうけることです。
健診で指摘されて不安になったときは、「早くみつけられて良かった」と思って安心のためも眼科を受診しましょう。